執事と共に日常を。
ふと、恵理夜が外気にさらされた春樹の右手を引き寄せた。

小さな手から、ゆっくりと体温が伝わってくる。


「やっぱり、春樹の手はすぐに冷えるわね」


恵理夜は、くすくすと笑った。


すぐそばで聞こえるよく通る声と、柔らかみのある言葉遣い。

そして、その小さな体温に春樹は深い安心感を覚えた。
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