執事と共に日常を。
「まだ、自殺のほうが頷けた。心臓突然死は年間5万人と言われてる。自殺者は年間3万人。確率的には正しいのだろう、けど、どうして……」


搾り出すような声だった。


「何故風邪も引かないような彼女がこんなことになったのかわからない」

「……だから、悲しむことが出来ないのかしら」


彼は、深く頷いた。


「悲しむも何も、彼女が死んだ現実を理解できてないみたいなんだ」


重い影を含んだ笑み。
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