執事と共に日常を。
着信だった。

一瞬躊躇するが、ユウヤの意識も戻らないし自分もこんな状況に長くいたらどうなるかわからない、と思った。


春樹の「無事のお帰りを、お待ちしております」の言葉を思い出す。


彼の履かせてくれたローファーは片方を失っていた。


恵理夜は、堪らない不安を抱えたまま、通話ボタンを押した。
< 232 / 267 >

この作品をシェア

pagetop