執事と共に日常を。
「約束、するわ。春樹」


春樹が死んでも、受け止めて決して忘れないことを――。

真っ直ぐな、射抜くような瞳で春樹を見つめながら言った。

春樹は、静かに恵理夜の手をとって自分の左胸に当てた。


「私も、約束しましょう」


春樹がそうして交わした約束が、今まで破られることはなかった。
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