執事と共に日常を。
「お待たせ」


ロングコートに細身のパンツをはいた男性だった。

えらく痩せてはいるが、温和そうな雰囲気がにじみ出ていた。


「カンザキくん、座って座ってー」


と、カナは二人の間の席を勧めた。


「やあ、君が噂の春樹クンか」


と、微笑みながら右手を差し出してきた。


「カンザキです」


とても、律儀で丁寧な人だという印象を受けた。
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