妖魔06~晴嵐~
クルト、ロベリア、ジャスミンを龍姫の元へと行くように指示した。

最終決戦に向けて、準備を行う必要がある。

それは、仲間と道具が必要だという事だ。

美咲には強力な能力を持つ仲間を一人か二人、募集をかけるようにお願いした。

「本当は、あまり巻き込みたくはないんだがな」

勝てる見込みがない。

もしかすると、全滅なんていう事もあるんだ。

だが、このまま放置しても、全滅する可能性もある。

同じ日を暮らしたいという人もいるだろう。

そこは、抗う人もいるかもしれない。

俺は学校に行く道を歩く。

千鶴と話をするのは最後になるだろう。

その前に、二、三、話をする人がいる。

「よ」

学校から出てきたのは、身軽に動けるような軽装の子鉄と瑠璃子だ。

「アンタは」

瑠璃子は子鉄を守るように前に立つ。

瑠璃子も少し、レズが入ってるんだよな。

本人は尊敬だとか慕っていたりもするけどな。

「馴染みだからな、挨拶でもしておこうと思ってよ」

久々に見る顔に、頬が緩む。

「瑠璃子、下がっていいわ」

下がるように指示するが、下がろうとしない。

「瑠璃子、いい加減になさい」

「妖魔は、処断する!」

トラウマ発動ってところか。

退魔師という仕事柄もあるから、妖魔が暴走していた時は我慢していたのだろう。

しかし、今はプライベートな時間でもある。

退魔師の仕事よりも、自分のトラウマが勝ったか。

「瑠璃子との戦いか」
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