妖魔06~晴嵐~
闇の力を解放させる。

「お前如きが、俺の前に出てくるんじゃねえ」

走りながらも闇を前へと放つ。

龍姫もどきは飛び立ち闇を回避する。

そこから陣を構築させた。

「そなたは亜空間が好きらしいのう」

龍姫もどきの背後に姿を現す龍姫。

詠唱破棄した陣を扱い、逃げようとした龍姫もどきを転移させた。

どこに行ったのかは、分らない。

「ここからでは時間がかかる。そなたも送ろう」

「頼む」

本物の龍姫に転移術を行ってもらい、俺は家の前に出てくる。

「千鶴!」

俺は家の扉を開けて、中へと入る。

二階へと走り、千鶴の部屋に辿り着いた。

千鶴は眠っていた。

いい事だと見ている場合でもない。

「千鶴!千鶴!頼む!起きてくれ!」

「兄、さん?」

本当に、ねむたげな声を上げる。

「ジャスミンが危ない状態なんだ!」

「ジャスミンが?」

体を起こす千鶴の手にジャスミンを持たせる。

「契約コアのままだ」

寝ぼけているが状況を何とか飲み込んだ。

「ジャスミン、すぐに、契約するから」

ジャスミンのコアを自分の胸元へと持ってくる。

すると、コアは千鶴の中へと入っていった。
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