妖魔06~晴嵐~
「ち、面倒くせえ」

不機嫌そうな顔をしながら、どうにか諦めたようだ。

「美咲、刃にも札を渡してるのか?」

「うん、他の人たちにも一応ね」

龍姫の優しさには頭が上がらない。

しかし、霧が濃くなったという事は瘴気も濃くなっているという事だ。

早く決着をつけるほうがいいだろう。

「とりあえず、これを身に着けたほうがいい」

俺は二人にアクセサリーを渡しておく。

美咲は素直に身に着けたが、刃は納得のいってない顔をしている。

「お前の思惑なんざ、今はどうでもいいんだよ。それをつけなけりゃ、お前は自我を失うかもしれないんだよ。それくらいは理解しておけよ」

自我を失った瞬間、俺は容赦なく刃を殺す。

今までは自我があったから、生かしておいたけどな。

「ち」

舌打ちをしながらも、見につけていく。

諦めがついたのかもしれない。

「これで全員か」

周囲を見回すと、そこそこの数がいるようだ。

俺、ロベリア、千鶴(ジャスミン)、クルト、美咲、子鉄、アカ・マナフ、刃。

RPGで行くならば、四人でPTを組んで突撃するのだが、そんな事もない。

一気にカタをつけられるのならば、八人で行く。

後は能力の相性問題とかもあるし、回復要員が一人しか居ないというのも考えておかなければならない。

道具だけでは足りない場合、美咲が肝になってくるのだからな。

前衛を俺、刃、アカ・マナフ。

刃の特殊能力やアカ・マナフの特殊能力などを含め、攻撃力重視で考えておく。

中衛をロベリア、千鶴(ジャスミン)、子鉄。

ロベリアやジャスミンの風や物を吸い込んでからの攻撃、子鉄の鉄球など、中距離を支配できる人たちを後ろにおいておく。

後衛を美咲、クルト。

最後は回復が出来る美咲に、穴で相手の攻撃を封殺出来るクルトだ。

この順番で挑むのがいいところだろう。

ただ、前衛の相性の悪さがあるのが考え物である。

そして、もし分かれなくならなくなった場合はまた考えなければならない。
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