妖魔06~晴嵐~
「ロベリアが確実にトドメを刺したはず」

「とても健康的のようですね」

風間さんの表情は変わらず、拳を握り締め距離を縮めてきています。

「普通の攻撃では勝てないようね」

「それはそれは、とても面白い謎解きですよ」

私が先ほど風間さんを攻撃しなかったのは、風間さんがどの程度で死地へ赴くのか図っていたんですよね。

野川さんの仰るとおり、風間さんは一般的な殺し方では死地に行きません。

「あいつの足止め、出来る?」

「おや、私一人で戦わせていただけるのですか?」

「あんたが、あいつを倒せるのならそれでいい。でも、保険は必要よ」

「後の事まで考えて動くあなたは結婚に向いてますね」

「どういう流れで結婚につながるのよ?」

「人生を計画的に送るというのはすばらしい物だと思いますよ」

「そうね。ま、とりあえず、頼んだわよ」

野川さんが何かをする予定がありますので、私は私の思い通りに動かせていただきますか。

風間さんは走り始めます。

「さて、死地のやり取りをしましょうか」

私は彼の攻撃を迎えるためにナイフを作り出します。

そして、ナイフを投げつけます。

「その程度か」

ナイフを拳で破壊し、更に距離が縮まります。

「おやおや、相変わらず素晴らしい拳をお持ちで」

「おべっかなど必要はない。お前も天に逝け!」

私を砕くための拳を振るいます。

同時に麻痺針を吐きつけて、バックステップで回避しようとしました。

麻痺針は彼のこめかみに刺さり、彼の拳は私の腹をかすります。
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