妖魔06~晴嵐~
「悲しさ、かな」
「どういう事だ?」
「彼は一体どこまで、一人でいるんだろうと思って」
「美咲」
「好きだとか嫌いだとかそんなんじゃない。孤独の辛さを知らない事が強さだなんておかしいし、決して強くなんかない。そこが悲しいんだ」
「ああ」
「彼は願いを叶えるというけれど、それも一人と同じ。利害を同じくしているだけだよ」
「ああ」
「他人といる事に煩わしい事だってあるかもしれない。でも、それだけじゃないと思う。他人を少し認める事で自分の世界は広がるし、間違えに気づく事だって出来る」
ずっと一人でいれば何が正解なんかなんて分からない。
美咲のいう他人とは、自分の言う事を聞くだけの相手ではない。
「誰かが言ってあげなくちゃならないのに、信用しないかもしれない。それも、悲しい」
「ああ」
「でも、私には彼に何も言う権利なんかない。だって、私は彼を裏切ったもの」
美咲は、イヴァンと過去に付き合っていた。
もし、美咲の事を信用していなかったからといって、裏切りは真実。
「その原因は俺にもある」
「あなたの誘いが原因のひとつだとしても、私は心が弱かったんだ。それは、今でも変わらないと思う」
「そうか」
美咲は、裏切りの代償として死の病を受けた。
最後には笑顔で逝ったものの、一度苦しみの中に身を置いたんだ。
自分の中の傷である。
しかし、迷って打ち損ねるなんて事はないと思いたい。
俺は、美咲を信じたいんだ。
「どういう事だ?」
「彼は一体どこまで、一人でいるんだろうと思って」
「美咲」
「好きだとか嫌いだとかそんなんじゃない。孤独の辛さを知らない事が強さだなんておかしいし、決して強くなんかない。そこが悲しいんだ」
「ああ」
「彼は願いを叶えるというけれど、それも一人と同じ。利害を同じくしているだけだよ」
「ああ」
「他人といる事に煩わしい事だってあるかもしれない。でも、それだけじゃないと思う。他人を少し認める事で自分の世界は広がるし、間違えに気づく事だって出来る」
ずっと一人でいれば何が正解なんかなんて分からない。
美咲のいう他人とは、自分の言う事を聞くだけの相手ではない。
「誰かが言ってあげなくちゃならないのに、信用しないかもしれない。それも、悲しい」
「ああ」
「でも、私には彼に何も言う権利なんかない。だって、私は彼を裏切ったもの」
美咲は、イヴァンと過去に付き合っていた。
もし、美咲の事を信用していなかったからといって、裏切りは真実。
「その原因は俺にもある」
「あなたの誘いが原因のひとつだとしても、私は心が弱かったんだ。それは、今でも変わらないと思う」
「そうか」
美咲は、裏切りの代償として死の病を受けた。
最後には笑顔で逝ったものの、一度苦しみの中に身を置いたんだ。
自分の中の傷である。
しかし、迷って打ち損ねるなんて事はないと思いたい。
俺は、美咲を信じたいんだ。