妖魔０６～晴嵐～
「彼や赤城さんに神のご加護はありますように。今回は、平穏に終わってよかったです」

「おや、マリアさん、私としては体を動かしたかったんですがね」

「それではいけません。赤城さんも少しは落ち着きを持ってください」

「マリアさん、そうしたいんですが、デパートの荒波の中ではそうも言ってられませんよ」

少し息を抜けば、彼女達の闘気に押されてしまいますからね。

「はあ」

ため息をついてますね。

やはり、マリアさんは口ではああいうものの、デパートに早く行きたいのかもしれません。

しかし、随分と時間を食ってしまいましたね。

今からでは摩耶さんお望みの物は買えないかもしれませんよ。

「さて、マリアさん、行きましょうか」

「もう、言う事はちゃんと聞いてください」

私達はデパートへと向います。

すでに、戦場は焼け野原へと変わっていました。

「どうしましょう？全然物が置いてません」

戦場の跡地を見たマリアさんは、あたふたとしていますね。

「そのようですね、しかし、マリアさん、通常の値段なら、置いてますよ」

「それでは意味がないのではないですか？」

「マリアさん、それもそうですが、摩耶さんの手料理の切れ味を落とすわけにもいきません」

「悲しませるわけには、いきませんね」

「お困りのようですね」

傍に立っているのは、試食の店員をしている葵さんですね。

「おやおや、お久しぶりですね」

「話は聞かせてもらいましたよ。外道、お前は再び恩師・摩耶を泣かせようとしているな」

「そうですねえ。彼女は満足な料理が作れないことに不満を感じてしまうかもしれませんよ」

「やはり、お前は外道！そのような事をした時には、私は全力を持ってお前を潰す！」
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