妖魔06~晴嵐~
移動した先は、アカ・マナフの傍だった。

「お前は厄介だ」

「おやおや、面白い能力ですね。これは死地にたどり着けるかもしれませんよ」

紅い学ランの男はすでにアカ・マナフに腕をつけている。

腕は確かになくなっているはずだが、再び回復させたのか。

「あっちむいてほい」

声を上げたのはクルトだ。

クルトの人差し指は、上を向いている。

そして、紅い学ランの腕も上空に向いていた。

刃のコアをクルトは入手したのか。

「オラはダメで終わるつもりはないだ」

アカ・マナフがナイフで切り裂こうとしたところを、瞬間移動で回避する。

そして、上空から光を打ちはなった。

速い光が全てを飲み込もうとする。

俺は闇の力で俺達を覆い隠す。

光は闇の中へと飲み込まれていく。

闇が晴れたところを、子鉄が鉄球を投げつける。

「リンチみたいで気がすすまないけれど、こっちも余裕がないのよね」

鉄球は紅い学ランの男めがけて飛び続ける。

男は防御するために前へと手を出す。

「言っておくけど、プレゼントするのはあんたじゃないわ」

鉄球は曲がり、白い女へと方向を変える。

白い女は呆けているようで、防御する姿勢も、回避する姿勢もとらない。

白い女の腹部に当たり、倒れた。

「がは」

子鉄も同じように倒れる。

今の行動で白い女の能力が何か分かったような気がする。

「ダメージをリンクさせるのか」

子鉄のおかげで能力的な物は見えてきたが、面倒極まりない。
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