妖魔06~晴嵐~
「無事か?」

「ええ」

腹を押さえながらも、立ち上がる。

「姉さんが中にいるんだから、もうちょっと慎重に行動してよね」

ジャスミンが子鉄の行動にケチをつける。

「相手が動かない以上、敵を探るには何もしないわけにはいかないのよ」

「それであなたが死んだら、姉さんが死ぬじゃない」

「今回のは結果オーライよ。ごちゃごちゃ言うんじゃないわ」

光が飛んできたところで二人は飛びのいた。

「喧嘩してる場合じゃないぜ」

周囲の気配を探りながら、学ランの姿を探す。

「消えた」

いや、魔力を用いての術を使ったとするのなら、姿を消すのも可能だろう。

どさくさにまぎれて、姿を隠す術を使ったか。

確か、龍姫も使っていたはずだ。

「だがよ、まだまだ甘いぜ」

俺は走りはじめる。

「おら!」

とび蹴りをかますと、俺は空中で止まる。

「見えてんだよ!」

学ランが姿を現す。

「クルト、お前が刃から受け継いだ物を、見せてやれ!」

しかし、学ランは瞬間移動で姿を再び消した。

「だるまさんが転んだ」

クルトは動きを止める能力を使う。

俺達全員の動きが止まった。

動けるのは、クルトのみだ。
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