妖魔06~晴嵐~
「今の俺では近づく事すらままならない」
俺の体はボロボロで、近づく前に壊されて終わる。
「だから、お前の鉄球を奴にぶつけて欲しい」
「ちょっと待ちなさい。鉄球をぶつけたところで奴の動きを止められるはずがないわ」
「そうだ。鉄球だけでは止まらない」
「じゃあ、どうするっていうわけ?」
「俺の意思を鉄球に込める」
「意思を?」
「母さんは俺の体の中に意思を残した。それを鉄球バージョンで、俺がやる」
「そんな事出来るわけ?」
「有機物と無機物の違いはあるけど、今の俺にはその方法しか思いつかない。それに、他の物を用意する時間もない。一番確立の高い方法はそこにある」
母さんの力が宿っている今なら、出来ない事もないだろう。
いや、敵は原初だ。
母さんの闇の力だけでは奴を打ち抜く事は出来ないかもしれない。
念には念をこめておいたほうがいいかもしれないな。
「俺はお前を信じてるぜ」
「あたしはあんたを信じられなくなってきたけどね」
「そう言うなよ」
子鉄が俺のほうに鉄球を軽く投げる。
俺はアカ・マナフが作った鉄の腕で受け取った。
「そうね。あんたと千鶴にかかってるっていうなら、あんたの思い通りにやりなさい。私はあんたに従うわ」
「ああ」
俺達は世界の裂け目から少し離れた位置まで来る。
「アカ・マナフ、クルト」
「何だ?」
「おや、体育の時間がやってきましたか」
俺の体はボロボロで、近づく前に壊されて終わる。
「だから、お前の鉄球を奴にぶつけて欲しい」
「ちょっと待ちなさい。鉄球をぶつけたところで奴の動きを止められるはずがないわ」
「そうだ。鉄球だけでは止まらない」
「じゃあ、どうするっていうわけ?」
「俺の意思を鉄球に込める」
「意思を?」
「母さんは俺の体の中に意思を残した。それを鉄球バージョンで、俺がやる」
「そんな事出来るわけ?」
「有機物と無機物の違いはあるけど、今の俺にはその方法しか思いつかない。それに、他の物を用意する時間もない。一番確立の高い方法はそこにある」
母さんの力が宿っている今なら、出来ない事もないだろう。
いや、敵は原初だ。
母さんの闇の力だけでは奴を打ち抜く事は出来ないかもしれない。
念には念をこめておいたほうがいいかもしれないな。
「俺はお前を信じてるぜ」
「あたしはあんたを信じられなくなってきたけどね」
「そう言うなよ」
子鉄が俺のほうに鉄球を軽く投げる。
俺はアカ・マナフが作った鉄の腕で受け取った。
「そうね。あんたと千鶴にかかってるっていうなら、あんたの思い通りにやりなさい。私はあんたに従うわ」
「ああ」
俺達は世界の裂け目から少し離れた位置まで来る。
「アカ・マナフ、クルト」
「何だ?」
「おや、体育の時間がやってきましたか」