妖魔06~晴嵐~
琴は俺の腕の中から飛び降りる。
「琴?」
「丞ちゃんは琴の事を考えたニャ。琴も丞ちゃんの事を考えるニャ」
「琴の気持ちはありがたいけど、難しいぜ?」
「琴は葉桜の家の者にゃ。そして、甘露寺の家に嫁いだにゃ。だから、ある程度の事なら、丞ちゃんにしてあげるニャ」
話に聞いたところによれば、葉桜と甘露寺は妖魔の中では貴族の内に入るはずだ。
もしかすると、琴は魔術を使えるのではないか?
しかし、今、魔術を使うのは琴の体に負担がかかるという事だ。
瘴気が更に濃くなっているし、不幸・幸せパワーで魔力も使っている。
その上で、高等魔術を使うとなれば、相当な魔力消費量があるだろう。
建物の中にも瘴気が入り込んでいるとすれば、どこでやっても同じだ。
他の妖魔達もすでに瘴気に侵されているかもしれない。
時間は、ないのだ。
「分かった。転移して欲しいところがある」
「吟ちゃんの孫の丞ちゃんの頼みなら、お安い御用ニャ」
幸せ、不幸という言葉を使わない琴が頼もしく思える。
「龍姫の住処は、知ってるのか?」
「吟ちゃんの女かにゃ」
「まあ、そうなるのかはわからないが」
吟が龍姫に対して行ったセクハラ行為からして、女と見られてもおかしくはないだろう。
「一度、行った事があるニャ」
「そうか、ならそこに頼む」
猫の姿のまま、詠唱を行い始める。
「琴、耐えてくれよ」
そして、龍姫の住処へと転移する事となった。
「琴?」
「丞ちゃんは琴の事を考えたニャ。琴も丞ちゃんの事を考えるニャ」
「琴の気持ちはありがたいけど、難しいぜ?」
「琴は葉桜の家の者にゃ。そして、甘露寺の家に嫁いだにゃ。だから、ある程度の事なら、丞ちゃんにしてあげるニャ」
話に聞いたところによれば、葉桜と甘露寺は妖魔の中では貴族の内に入るはずだ。
もしかすると、琴は魔術を使えるのではないか?
しかし、今、魔術を使うのは琴の体に負担がかかるという事だ。
瘴気が更に濃くなっているし、不幸・幸せパワーで魔力も使っている。
その上で、高等魔術を使うとなれば、相当な魔力消費量があるだろう。
建物の中にも瘴気が入り込んでいるとすれば、どこでやっても同じだ。
他の妖魔達もすでに瘴気に侵されているかもしれない。
時間は、ないのだ。
「分かった。転移して欲しいところがある」
「吟ちゃんの孫の丞ちゃんの頼みなら、お安い御用ニャ」
幸せ、不幸という言葉を使わない琴が頼もしく思える。
「龍姫の住処は、知ってるのか?」
「吟ちゃんの女かにゃ」
「まあ、そうなるのかはわからないが」
吟が龍姫に対して行ったセクハラ行為からして、女と見られてもおかしくはないだろう。
「一度、行った事があるニャ」
「そうか、ならそこに頼む」
猫の姿のまま、詠唱を行い始める。
「琴、耐えてくれよ」
そして、龍姫の住処へと転移する事となった。