妖魔06~晴嵐~
そして、間合いに入ると真横から一閃。
白い女はタイミングを合わせてナイフの刃を口で受け止める。
「おや、いい反応ですねえ。パン食い競争も一位を取れるんじゃないですかね」
戦闘においての野生の勘は高い。
先ほどの転移してきた瞬間に投げられたナイフもかする程度で済んでいるのだからな。
まるで別人だが、これが本来の動きなのかもしれない。
アカ・マナフは二本目のナイフで切りにかかる。
アカ・マナフ自身も怪我を負っていても関係ない。
ただ、戦う事に楽しみを見出している。
白い女は刃を離し、回避すると同時に回し蹴りをアカ・マナフの腹に打ち込む。
「丞ちゃん、今すぐ取り掛かるぞえ」
いつの間にか、傍にいた龍姫。
「人心転移術において必要なのは詠唱にかかる時間じゃ」
「詠唱破棄は出来ないようだな」
「禁忌故に、頻繁に使われる事がなく発展する事はない。だからこそ、詠唱破棄などという高等技術が生まれる事はないのじゃ」
「分かった」
すでに描かれていた魔法陣の上に俺と鉄球が乗せられる。
「では、始めるぞえ」
龍姫が詠唱を行い始める。
その間にも、アカ・マナフと白い女の戦いは広がっていた。
いや、そこには風の力も生まれているようだから、子鉄も援護しているといっていい。
子鉄は直接攻撃が出来ないゆえにアカ・マナフに攻撃を任せているといってもいい。
しかし、地味にこちらに近づいているようにも思える。
龍姫の詠唱速度は並の物ではない。
急ぐという気持ちの現われなのだろう。
白い女はタイミングを合わせてナイフの刃を口で受け止める。
「おや、いい反応ですねえ。パン食い競争も一位を取れるんじゃないですかね」
戦闘においての野生の勘は高い。
先ほどの転移してきた瞬間に投げられたナイフもかする程度で済んでいるのだからな。
まるで別人だが、これが本来の動きなのかもしれない。
アカ・マナフは二本目のナイフで切りにかかる。
アカ・マナフ自身も怪我を負っていても関係ない。
ただ、戦う事に楽しみを見出している。
白い女は刃を離し、回避すると同時に回し蹴りをアカ・マナフの腹に打ち込む。
「丞ちゃん、今すぐ取り掛かるぞえ」
いつの間にか、傍にいた龍姫。
「人心転移術において必要なのは詠唱にかかる時間じゃ」
「詠唱破棄は出来ないようだな」
「禁忌故に、頻繁に使われる事がなく発展する事はない。だからこそ、詠唱破棄などという高等技術が生まれる事はないのじゃ」
「分かった」
すでに描かれていた魔法陣の上に俺と鉄球が乗せられる。
「では、始めるぞえ」
龍姫が詠唱を行い始める。
その間にも、アカ・マナフと白い女の戦いは広がっていた。
いや、そこには風の力も生まれているようだから、子鉄も援護しているといっていい。
子鉄は直接攻撃が出来ないゆえにアカ・マナフに攻撃を任せているといってもいい。
しかし、地味にこちらに近づいているようにも思える。
龍姫の詠唱速度は並の物ではない。
急ぐという気持ちの現われなのだろう。