妖魔06~晴嵐~
「アカ・マナフ、琴、あんた達はクルトを連れてきなさい」
子鉄は何を言っているのか。
一人で、イヴァンと戦うつもりなのか。
俺が声を上げようとしても、鉄球故に届かない。
「おや、私に死地から離れろというのですか?」
「向こう側は、もう暴走妖魔であふれかえってるはずよ」
まさか、久遠や冬狐も暴走してしまっているというのか。
「琴は転移術を使える。あんたは戦術に長けている」
しかし、琴には負担が大きすぎる。
それは、子鉄も知っているはずだ。
しかし、今、転移術を使える妖魔は琴しかいない。
龍姫はすでに体力と魔力を使い果たしてしまっている。
「あんたは空気を読めない奴だけど、最低限の最優先するべき事を知っているわ」
「おやおや、あなたから高評価をいただけるとは、今日はお汁粉付のめざしパーティーになるかもしれませんね」
「そのめざしを作る奴がいるって事を忘れてんじゃないわよ」
アカ・マナフは少し黙る。
「今晩のめざし料理も逃せませんね」
そして、アカ・マナフは背中を向ける。
「丞ちゃんと離れ離れになるにゃ?」
目をさましている琴が子鉄に問いかける。
「ここであんたは動かなければ、永遠の別れになるわね。それでもいいのなら、ここに残りなさい」
「嫌にゃ!そんな不幸な世界はいらないにゃ!」
琴は子鉄から離れて、魔方陣を描き始める。
「子鉄さん」
今まで黙っていた千鶴が、首を下げながら子鉄を見ている。
「千鶴、あんたは下がってなさい」
「でも」
「あんたは、本当に、最後の希望。今、むやみやたらに動かすわけにはいかないのよ」
子鉄は何を言っているのか。
一人で、イヴァンと戦うつもりなのか。
俺が声を上げようとしても、鉄球故に届かない。
「おや、私に死地から離れろというのですか?」
「向こう側は、もう暴走妖魔であふれかえってるはずよ」
まさか、久遠や冬狐も暴走してしまっているというのか。
「琴は転移術を使える。あんたは戦術に長けている」
しかし、琴には負担が大きすぎる。
それは、子鉄も知っているはずだ。
しかし、今、転移術を使える妖魔は琴しかいない。
龍姫はすでに体力と魔力を使い果たしてしまっている。
「あんたは空気を読めない奴だけど、最低限の最優先するべき事を知っているわ」
「おやおや、あなたから高評価をいただけるとは、今日はお汁粉付のめざしパーティーになるかもしれませんね」
「そのめざしを作る奴がいるって事を忘れてんじゃないわよ」
アカ・マナフは少し黙る。
「今晩のめざし料理も逃せませんね」
そして、アカ・マナフは背中を向ける。
「丞ちゃんと離れ離れになるにゃ?」
目をさましている琴が子鉄に問いかける。
「ここであんたは動かなければ、永遠の別れになるわね。それでもいいのなら、ここに残りなさい」
「嫌にゃ!そんな不幸な世界はいらないにゃ!」
琴は子鉄から離れて、魔方陣を描き始める。
「子鉄さん」
今まで黙っていた千鶴が、首を下げながら子鉄を見ている。
「千鶴、あんたは下がってなさい」
「でも」
「あんたは、本当に、最後の希望。今、むやみやたらに動かすわけにはいかないのよ」