妖魔06~晴嵐~
三度間合いに入り、乾さんのナイフを捌きます。

しかし、乾さんのもう一本のナイフが上段から私に襲い掛かります。

右の足裏に生成したナイフで乾さんの襲い掛かる腕を刺しました。

そこから、左足で彼女の顎をジャストミートで蹴ります。

乾さんは右方向へと飛び、地面に倒れこみました。

「にゃ、気を失ったかにゃ?」

「どうでしょう」

彼女が起きてくる気配はないようです。

琴さんがおっしゃるとおり、気を失ったのでしょう。

私は膝をつきます。

「すごい、傷にゃ」

「死地へと近づきすぎたかもしれませんね」

乾さんが何故、気に触れてしまったのかは知りませんが、私としてはありがたい状況でしたね。

「傷を見せるにゃ」

「おや、傷に興味があるんですか?」

琴さんは胸に出来た傷を見て、顔をゆがませます。

顔の表情を自ら変えられる琴さんは最新型といってもいいです。

「これなら、まだ間に合うにゃ」

琴さんは魔方陣を枝を使って両手で描いていきます。

「ふう、ちょっと疲れたにゃ」

みると、琴さんの体を包む光が薄れてきています。

「なるほど」

私は魔方陣を消しました。

「な、な、何をするにゃ!」

「すいません、立派な魔法陣をみて、あなたの動きをもう一度見たいと思いまして」

「どういう理屈にゃ!」
< 229 / 278 >

この作品をシェア

pagetop