妖魔06~晴嵐~
返事がありません。

「ここにいることは間違いないにゃ。琴には分かるにゃ」

猫パンチで扉をノックします。

「開けるにゃ」

しかし、開く気配はありません。

「おや、かくれんぼですか。愉快ですね」

「何も、愉快じゃないにゃ!もう後ろからきてるにゃ!不幸にゃあああ!」

隕石が落ちてくると、扉を破壊してしまいましたね。

中は薄暗くなっています。

そこにいたのは、数名の子供達に摩耶さんとクルトさんに夢魔さんのようです。

「ぱ、ぱ?」

「おや、摩耶さんじゃないですか」

「パパー!」

摩耶さんが私に抱きついてきました。

スキンシップの時間はあまりないのですがね。

「怖かった!怖かったよお!」

涙を流していますね。

死地をめぐるかもしれない出来事に出会ったのでしょう。

しかし、彼女達と一緒にいるという事は、彼女達がどうにかしたのでしょう。

「おや、マリアさんは?」

「マリアは、マリアは、ウチらを逃すために」

彼女は暴走しないコアをもっているとはいえ、暴走妖魔に立ち向かう力はありません。

先に死地に逝ってしまいましたか。

「ぱ、ぱ、その傷、どないしたん!?」

「死地への準備ですよ」
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