妖魔06~晴嵐~
イヴァンが腕を上げようとしたところで、俺はサイドステップで回避する。
「ここは僕の世界だ。この手の先にいなくても成立することがある」
「何?」
俺の体から、何かが引き出される。
「馬鹿な」
そこにいたのは、吟と龍王の二人だった。
吟は自分の記憶の中にある服装で現れる。
吟は俺と旅の時の服装だ。
龍王は着物を着ているが修羅界で見た時と年齢は変わらない。
「また、丞の顔を見る事になるなんてアルな」
「吟、お前、記憶が」
話し方からして、過去の物になっていた。
今、吟の顔を見れたのは正直嬉しい。
だが、今現れるという事は、完成の手助けをするという事になる。
「少々、まずい事になっているようじゃのう」
龍王は理解が早い。
「だが、俺達は奴を止めるしかない」
何のための肉体を失い、何のためにイヴァンの世界に来たのか。
「精神の均衡を起こしている今、ここで飲み込まれれば完全に消滅するといっていい」
「だが、その逆も然り、だろ?」
「可能ではあるが、可能性は低い」
「原初なる者の多さからいえば、向こうが上だからって事か?」
「そして、ここは奴の世界じゃ」
「そう、不可能な事などほとんどないという事だ」
イヴァンがそういい、片手を龍王へと向けた。
「ぐ」
龍王が膝を着き、イヴァンを見据えた。
「ここは僕の世界だ。この手の先にいなくても成立することがある」
「何?」
俺の体から、何かが引き出される。
「馬鹿な」
そこにいたのは、吟と龍王の二人だった。
吟は自分の記憶の中にある服装で現れる。
吟は俺と旅の時の服装だ。
龍王は着物を着ているが修羅界で見た時と年齢は変わらない。
「また、丞の顔を見る事になるなんてアルな」
「吟、お前、記憶が」
話し方からして、過去の物になっていた。
今、吟の顔を見れたのは正直嬉しい。
だが、今現れるという事は、完成の手助けをするという事になる。
「少々、まずい事になっているようじゃのう」
龍王は理解が早い。
「だが、俺達は奴を止めるしかない」
何のための肉体を失い、何のためにイヴァンの世界に来たのか。
「精神の均衡を起こしている今、ここで飲み込まれれば完全に消滅するといっていい」
「だが、その逆も然り、だろ?」
「可能ではあるが、可能性は低い」
「原初なる者の多さからいえば、向こうが上だからって事か?」
「そして、ここは奴の世界じゃ」
「そう、不可能な事などほとんどないという事だ」
イヴァンがそういい、片手を龍王へと向けた。
「ぐ」
龍王が膝を着き、イヴァンを見据えた。