妖魔06~晴嵐~
すでに上着を着用した蛍は霧の中から誰かの腕に引っ張られる。
そのまま部屋から出て、廊下へと導かれた。
「お前さん、か」
その際にいるのは服を着込んだスラーヴカだ。
二人は走りながらも出口へと向っていた。
「くだらない死に方されても、こっちとしても気が治まらない」
「じゃあ、お前が殺せばいいんじゃないか?」
半笑いになりながら、スラーヴカを挑発する。
「お前さんはそのためにここに来たんだろ?」
「知ってたんじゃない」
「それは手段であって目的ではない、そんなところだろう?」
「やな奴」
「褒め言葉としてとっておこうか」
「いいけど、ね」
「そうかそうか。なら、もう一発」
「それはしない」
「お前さん、目的を果たさず帰るつもりか?」
「帰っても、ろくでもない目に合うのは予想できる。でも、私はあんた達の仲間じゃない」
「だろうな」
「また、狙いに来るわよ?」
「じゃあ、その時はもう一回戦だな」
「やな奴」
スラーヴカは自分の顔を隠すかのようにそっぽを向いた。
そして、蛍はホテルからしばらく歩いたところで足を止める。
「お前さんは、早く自分の価値に気付くべきだ。俺から言えるのはそれだけさ」
しかし、スラーヴカは振り返る事無く、去っていく。
蛍はスラーヴカの背中を見つめながらも、洋子の対処法について考えていた。
そのまま部屋から出て、廊下へと導かれた。
「お前さん、か」
その際にいるのは服を着込んだスラーヴカだ。
二人は走りながらも出口へと向っていた。
「くだらない死に方されても、こっちとしても気が治まらない」
「じゃあ、お前が殺せばいいんじゃないか?」
半笑いになりながら、スラーヴカを挑発する。
「お前さんはそのためにここに来たんだろ?」
「知ってたんじゃない」
「それは手段であって目的ではない、そんなところだろう?」
「やな奴」
「褒め言葉としてとっておこうか」
「いいけど、ね」
「そうかそうか。なら、もう一発」
「それはしない」
「お前さん、目的を果たさず帰るつもりか?」
「帰っても、ろくでもない目に合うのは予想できる。でも、私はあんた達の仲間じゃない」
「だろうな」
「また、狙いに来るわよ?」
「じゃあ、その時はもう一回戦だな」
「やな奴」
スラーヴカは自分の顔を隠すかのようにそっぽを向いた。
そして、蛍はホテルからしばらく歩いたところで足を止める。
「お前さんは、早く自分の価値に気付くべきだ。俺から言えるのはそれだけさ」
しかし、スラーヴカは振り返る事無く、去っていく。
蛍はスラーヴカの背中を見つめながらも、洋子の対処法について考えていた。