妖魔06~晴嵐~
やばい物は『カオス』と交じり合い、消滅する。

「これで、良かったのか?」

イヴァンは何も答えない。

不気味である事には変わりない。

「あれは、あいつをビンビンにさせる物アルな」

やばい物の謎を吟が答える。

ビンビンという事は、生き返らせるととっていいだろう。

先に答えていたなら、イヴァンはやばい物を移動させていたかもしれない。

「ギャハハハ!往生際がわりいことしやがる!」

お前が言うなといいたいが、ここは黙っておく。

しかし、何度も作られてはこちらとしては面倒だ。

完全になってしまえば、もっと凄まじいものが出来てしまうのかもしれない。

しかしながら、状況が変わっていないのは確かなのだ。

もう一度作るか?

「いや」

違う。

俺のやるべきことは、奴を止める事である。

『カオス』という消滅させる行為に気をとられすぎて、本当に為すべき事を忘れていた。

俺はロベリアとの契約を切る。

ロベリアは驚いた顔をしているようだ。

「ロベリア、増長、ありがとうよ」

「王子様?」

「ギャハハ、相変わらず、都合のいい野郎だ」

増長はつまらなさそうな顔をしている。

何をしようとしているのか気づいたようだ。

「俺は、自分勝手な野郎なんだよ」

「やだ、王子様、やだ!離れたくない!」

ロベリアが俺の服をつかむ。
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