妖魔06~晴嵐~
俺はイヴァンと交じり合っていく。
俺が使ったのは『融合』である。
イヴァンの体に入れば融合が行われたと思ったが、そうではないらしい。
他人が入る余地があったからな。
しかし、何人も他人が入ることが出来るということは、イヴァンにはそれだけのスペースがあったという事だ。
それがどういうことか。
多重人格になる可能性があったのか。
それとも、心がないのか。
それは、俺にはわからない。
「何故、抵抗しない?」
イヴァンならいつだって抵抗できる力があったはずだ。
「君が何をしようが物語は終わらない」
「最後まで、胸糞の悪い野郎だな」
「君に言われたくはない」
俺の意識は閉ざされていこうとしていた。
「丞」
吟が心配そうな瞳で俺を見ている。
「いいさ。もう、これしか方法がなかったんだ」
「さあ、この先、君の思い通りになるのか楽しみだ」
自分が自分でなくなる。
いや、確かに自分という存在はあるが、それは自分だけの物ではない。
イヴァン=カナシュートであり、葉桜丞になってしまったのだ。
俺が使ったのは『融合』である。
イヴァンの体に入れば融合が行われたと思ったが、そうではないらしい。
他人が入る余地があったからな。
しかし、何人も他人が入ることが出来るということは、イヴァンにはそれだけのスペースがあったという事だ。
それがどういうことか。
多重人格になる可能性があったのか。
それとも、心がないのか。
それは、俺にはわからない。
「何故、抵抗しない?」
イヴァンならいつだって抵抗できる力があったはずだ。
「君が何をしようが物語は終わらない」
「最後まで、胸糞の悪い野郎だな」
「君に言われたくはない」
俺の意識は閉ざされていこうとしていた。
「丞」
吟が心配そうな瞳で俺を見ている。
「いいさ。もう、これしか方法がなかったんだ」
「さあ、この先、君の思い通りになるのか楽しみだ」
自分が自分でなくなる。
いや、確かに自分という存在はあるが、それは自分だけの物ではない。
イヴァン=カナシュートであり、葉桜丞になってしまったのだ。