妖魔06~晴嵐~
鉄球を投げた後、時が止まったかのようにイヴァンは動かなくなった。
「う、ぐう」
両腕を失った子鉄は苦悶の表情を浮かべながら膝を突く。
「子鉄さん!」
千鶴が子鉄の元に駆け寄る。
「まったく、ついてないわね」
子鉄の心境は、両腕がなく途方にくれていた。
夢魔も近寄ってくると、傷口を見る。
「傷ぐらいは癒せるだす」
「はあ、はあ、助かるわ」
夢魔は目を瞑り、傷口に手を当てる。
数分後には傷口がふさがる。
「あんた、やっぱり出来るじゃない」
子鉄は両手を失いながらも、落ち込みを見せる事がない。
「オラには、これしか出来なかっただ」
「丞ちゃんなら、十分って言うわよ」
「ちょっと、あんたら」
続いて近づいてきたのは、摩耶だ。
「ここは、一体どこなん?」
「そう、あんた達は何も知らないのよね」
「知るわけないやんか。パパの下に戻られへんの?」
「今は、無理ね」
龍姫は今にも朽ち果ててしまいそうなほどに疲弊している。
傍には琴がついて回復させているが、状況は一向によくならない。
「せめて、あの子達が安全に過ごせる場所に落ち着かせたいわ」
数人の子供達は震えながら、離れまいと固まっていた。
「う、ぐう」
両腕を失った子鉄は苦悶の表情を浮かべながら膝を突く。
「子鉄さん!」
千鶴が子鉄の元に駆け寄る。
「まったく、ついてないわね」
子鉄の心境は、両腕がなく途方にくれていた。
夢魔も近寄ってくると、傷口を見る。
「傷ぐらいは癒せるだす」
「はあ、はあ、助かるわ」
夢魔は目を瞑り、傷口に手を当てる。
数分後には傷口がふさがる。
「あんた、やっぱり出来るじゃない」
子鉄は両手を失いながらも、落ち込みを見せる事がない。
「オラには、これしか出来なかっただ」
「丞ちゃんなら、十分って言うわよ」
「ちょっと、あんたら」
続いて近づいてきたのは、摩耶だ。
「ここは、一体どこなん?」
「そう、あんた達は何も知らないのよね」
「知るわけないやんか。パパの下に戻られへんの?」
「今は、無理ね」
龍姫は今にも朽ち果ててしまいそうなほどに疲弊している。
傍には琴がついて回復させているが、状況は一向によくならない。
「せめて、あの子達が安全に過ごせる場所に落ち着かせたいわ」
数人の子供達は震えながら、離れまいと固まっていた。