妖魔06~晴嵐~
「ふう」

日本のどこかのラブホテル。

葉桜蛍はベッドの上でタバコをふかしながら、考え事をする。

倒すべき組織は今や闇の中。

探すにしても情報は少ない。

今は待機状態である。

「何考えてるんだ?」

隣に寄り添っている洋子は蛍の顔を見ながら様子が気になっていた。

「何だろうなあ」

葉桜丞の死んだ情報は、蛍の中にも入る。

頭の端で引っかかっていた。

しかし、男の事なので、深くは考えない。

それが蛍のスタンスだ。

「さっきのも身が入ってなかったし、年取ったんじゃないか?」

「かもなあ」

「本当にどうしたんだよ?」

洋子が布団から身を出した。

「更年期障害って奴さ」

「蛍が?」

「人間だからな」

「ふうん」

半信半疑になりながら、蛍のタバコを奪い取り洋子が吸う。

「まだ組織を追いかけるの?」

「ケツが魅力な美人さんが他の事を追いかけろとさ」

指令書を持ち上げ洋子に見せる。

「世界征服、ね」

「男のケツを追いかける趣味はないんだがな」

「じゃ、趣味を堪能するために、もう一回戦いっとく?」

「お前さんも、好き物だなあ」

「蛍もだろ」

「かもなあ」

そのまま、二人は朝までベットの中で時を過ごした。
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