妖魔06~晴嵐~
夢で逢えたら
君と一緒に
「と、言うわけだ」
俺は長々と話し続けた。
吟は表情を変える事無く、聞いていたわけだ。
いつも通りの吟といえば、吟だ。
本当に記憶がなくなっているのかとさえ思う。
死者が襲ってくることもあった。
しかし、意思のない者に負けるほど弱くはない。
それに、疲労も特にない。
「それが私か?」
「嘘じゃない」
俺は吟の瞳を見つめた。
金色の瞳は、俺の瞳を射抜く。
いつみても、美しいと思える。
「信じられないな」
「記憶がなけりゃ、何を言ってもそうなっちまうよな」
「私がそんな楽しそうな生き方をしていたなんてな」
「楽しい、か?」
でも、吟は俺達のために犠牲になってしまった。
それでも、今の吟は楽しいと言う。
本当の気持ちなんだろうか。
「この世界も悪くはないが、興味はある」
吟は空を見上げる。
空といっても、雲があるわけでも太陽があるわけでもない。
「でも、ここには、お前の言っていた他の奴等はいない」
「まあな」
俺と吟以外、知っている奴はいない。
そう、いないんだ。
「全く、あなたは馬鹿でしょう」
「え?」
後ろに立っていたのは、見知った人物だった。
俺は長々と話し続けた。
吟は表情を変える事無く、聞いていたわけだ。
いつも通りの吟といえば、吟だ。
本当に記憶がなくなっているのかとさえ思う。
死者が襲ってくることもあった。
しかし、意思のない者に負けるほど弱くはない。
それに、疲労も特にない。
「それが私か?」
「嘘じゃない」
俺は吟の瞳を見つめた。
金色の瞳は、俺の瞳を射抜く。
いつみても、美しいと思える。
「信じられないな」
「記憶がなけりゃ、何を言ってもそうなっちまうよな」
「私がそんな楽しそうな生き方をしていたなんてな」
「楽しい、か?」
でも、吟は俺達のために犠牲になってしまった。
それでも、今の吟は楽しいと言う。
本当の気持ちなんだろうか。
「この世界も悪くはないが、興味はある」
吟は空を見上げる。
空といっても、雲があるわけでも太陽があるわけでもない。
「でも、ここには、お前の言っていた他の奴等はいない」
「まあな」
俺と吟以外、知っている奴はいない。
そう、いないんだ。
「全く、あなたは馬鹿でしょう」
「え?」
後ろに立っていたのは、見知った人物だった。