妖魔06~晴嵐~
どうやら、女性のようである。
髪を茶色に染め、後ろで束ねている。
背は百六十程度だろうか。
釣り目できつい顔が冬狐にそっくりであった。
「死体が、動いた?」
すぐにでも逃げ出そうという姿勢を取る。
「まあ、待とうぜ」
俺はその場に座って、両手を挙げた。
「あんたには何もしないし、する気もない。ただ一つだけお願いがある」
「あなた、話せるの?」
「そこらへんのゾンビ映画と一緒にしてもらっちゃ困る。こっちには意思も、感情もある」
「ふうん、面白いわね」
女は警戒はしているが、逃げる姿勢は解いた。
「で、お願いって何かしら?」
「服を持ってきてくれないか?」
「君の事を信じろというの?」
「ここで、信じてくれなきゃ困る」
少し考える素振りを見せた。
「俺には、守らなくちゃならない奴等がいる。ここで捕まるわけにもいかない」
「なるほど、ね。で、服を持ってきた見返りは?」
「そうだな、色男でも紹介してやるよ」
女が男に困っていなければ、意味のない交渉だ。
「それ、本当?」
「もちろんだ」
ただし、何歳かは知らないけどな。
「しょうがない、少し待ってなさい」
俺は座ったままで女を待つ事となった。
髪を茶色に染め、後ろで束ねている。
背は百六十程度だろうか。
釣り目できつい顔が冬狐にそっくりであった。
「死体が、動いた?」
すぐにでも逃げ出そうという姿勢を取る。
「まあ、待とうぜ」
俺はその場に座って、両手を挙げた。
「あんたには何もしないし、する気もない。ただ一つだけお願いがある」
「あなた、話せるの?」
「そこらへんのゾンビ映画と一緒にしてもらっちゃ困る。こっちには意思も、感情もある」
「ふうん、面白いわね」
女は警戒はしているが、逃げる姿勢は解いた。
「で、お願いって何かしら?」
「服を持ってきてくれないか?」
「君の事を信じろというの?」
「ここで、信じてくれなきゃ困る」
少し考える素振りを見せた。
「俺には、守らなくちゃならない奴等がいる。ここで捕まるわけにもいかない」
「なるほど、ね。で、服を持ってきた見返りは?」
「そうだな、色男でも紹介してやるよ」
女が男に困っていなければ、意味のない交渉だ。
「それ、本当?」
「もちろんだ」
ただし、何歳かは知らないけどな。
「しょうがない、少し待ってなさい」
俺は座ったままで女を待つ事となった。