妖魔06~晴嵐~
買い物袋を落とし、ロベリアは俺の元へと走ってくる。

そして、胸の中に飛び込む。

「おかえりなさい」

しかし、すぐに顔を上げた。

「でも、王子様は死んだはずじゃ」

「今も死んでる状態だ」

ロベリアの手を俺の胸に当てる。

ロベリアは驚いた顔をする。

「俺にはやる事があってな、それだけのために地上に帰ってきた」

「なら、王子様は」

「やる事が終われば、消える」

「そんな」

「本来なら俺はここにいない人間だ」

二日だけの命。

以下に迅速にイヴァンを討つかにかかっている。

「やるべき事って、何?」

「イヴァンを、倒すことだ」

「また、彼に戦いを?」

「じゃなきゃ、皆が生きる世界を作る事は出来ないからな」

しかし、これからどうするかを考えよう。

先に龍姫に力を貸してもらうか、千鶴を探すか。

ロベリアなら千鶴の居場所が分かるんではないだろうか。

「千鶴はどこにいるかわかるか?」

「今は、王子様の墓にいると」

「そうか、どこにある?」

「この近くにあります」

「案内してくれ」

俺はロベリアに連れられるままに、自分の墓へと向った。
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