妖魔06~晴嵐~
灯篭
俺達は街中を歩く。
周囲は、相変わらず不穏な空気が漂っている。
どこに行ったとしても、空には黒い雲。
周囲には、目に見えるほどに霧のようなものが渦巻いている。
「ロベリア、こりゃいつからだ?」
「王子様が死んで、数日経ってから」
「そうか」
嫌な予感がするのは、気のせいではない。
これも、イヴァンが何かを起こしたせいなのだろうか。
しかし、どんな空気であれ、街の中は変わらない。
人と妖魔が歩いており、仲睦まじい光景がところどころにあるわけだ。
「アテは、ねえんだよな」
それが一番厄介だ。
イヴァンの仲間さえいれば楽なんだけど、そうそう現れるはずもない。
「しかし、くせえな」
霧のせいなのか、臭う。
「あなたの体から臭う死臭なんじゃないの?」
ジャスミンが鼻をつまみながら、手を振っている。
「おいおい、復活して間もないのに、もうちょっと労わりを持とうとは思わないのか?」
「姉さんの心を奪う奴は、敵よ、敵!」
そういいながら、ジャスミンはロベリアの胸に顔を埋めて匂いを吸う。
「本当、シスコンのレベルを超えてるよな。世間体を気にしろよ」
「世間体?何それ、美味しいの?」
「はあ」
頭をかいたところで、周囲の様子の変化に気付く。
「ほう」
街にいる妖魔達の目つきが鋭い物へと変化し始めたのだ。
周囲は、相変わらず不穏な空気が漂っている。
どこに行ったとしても、空には黒い雲。
周囲には、目に見えるほどに霧のようなものが渦巻いている。
「ロベリア、こりゃいつからだ?」
「王子様が死んで、数日経ってから」
「そうか」
嫌な予感がするのは、気のせいではない。
これも、イヴァンが何かを起こしたせいなのだろうか。
しかし、どんな空気であれ、街の中は変わらない。
人と妖魔が歩いており、仲睦まじい光景がところどころにあるわけだ。
「アテは、ねえんだよな」
それが一番厄介だ。
イヴァンの仲間さえいれば楽なんだけど、そうそう現れるはずもない。
「しかし、くせえな」
霧のせいなのか、臭う。
「あなたの体から臭う死臭なんじゃないの?」
ジャスミンが鼻をつまみながら、手を振っている。
「おいおい、復活して間もないのに、もうちょっと労わりを持とうとは思わないのか?」
「姉さんの心を奪う奴は、敵よ、敵!」
そういいながら、ジャスミンはロベリアの胸に顔を埋めて匂いを吸う。
「本当、シスコンのレベルを超えてるよな。世間体を気にしろよ」
「世間体?何それ、美味しいの?」
「はあ」
頭をかいたところで、周囲の様子の変化に気付く。
「ほう」
街にいる妖魔達の目つきが鋭い物へと変化し始めたのだ。