妖魔06~晴嵐~
俺自身も、暴走妖魔を止めにかかる。

「アンタ」

俺の傍に子鉄が寄る。

「本当に、人間?」

「もっと、中途半端な存在さ」

子鉄が訝しげな顔をしたが、すぐ元に戻した。

「ま、いいわ。とりあえず、暴走妖魔を抑える方法は、ある」

「本当か?」

「これよ」

袋を渡される。

中身を見ると、団子が入っていた。

「きびだんごか」

確か、萌黄さんの過去話に出てきた奴だったか。

「これを食べさせれば、抑えられる」

「しかし、この霧じゃ、いつまた暴走するかわからんぜ」

「今は、両方を助ける方法がそれしかないわ」

「確かにな」

きびだんごを食べさせた後に、建物の中に非難させるしかない。

子鉄は行動に移ろうとする。

「子鉄」

「何?」

「死ぬな」

子鉄の表情が止まった。

「死んでもいい場所にたどり着くことは、ねえからな」

子鉄は微笑むと、敵に目をやる。

「そうね」

鉄球を回転させながらも、暴走妖魔の下へと走っていく。

「さて」

襲い掛かる暴走妖魔の口の中にきびだんごを突っ込んだ。
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