妖魔06~晴嵐~
他の退魔師たちも、傷を負いながらも一つ一つきびだんごを食べさせていく。

退魔師の中には能力に当たり、重傷者も出てきている。

しかし、子鉄と瑠璃子は軽傷ながらに、事を淡々と済ませていく。

俺も軽傷を負うが、痛みがなく血も出ない。

ロベリア達は妖魔の肉体なので、誰よりも軽傷で対応している。

「これで、ラストか」

最後の妖魔にきびだんごを食べさせた。

きびだんごを食べさせた妖魔達は、車に乗せられ霧のない建物内へと運ばれていく。

皆が安堵のため息をついた。

だが、退魔師以外の人間がロベリアとジャスミンを見ている。

それは、殺気がこもるような目だ。

二人は契約妖魔で能力を使っていた。

今の出来事で、見る目が変わってしまうのも間違いはない。

例え、二人が人間に危害を加えないとしてもだ。

俺は二人の前に立つ。

「王子様?」

「何か文句あっかよ?」

一般人を睨みつける。

「そこにいるのも、おかしな力を使っていた」

「だから、何だ?」

「いつ、可笑しくなるかもわからない」

「あんた達を助けたのに、か?」

「そんなの、関係ない」

「そうかい」

準備運動を行う。

俺はまだ息切れはしていない。

「二人に危害を加えるなら、お前等を潰す」
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