妖魔06~晴嵐~
「ちょっと、何握ってるのよ?」

「たまには、ジャスミンとの触れあいもないとな」

「あなた、人の話聞いてたの?」

「聞いてた聞いてた」

そう言いながら、俺はジャスミンに対してお姫様ダッコする。

「しばくわよ?」

殺意の篭った眼差しだが、俺は気にしない。

「ジャスミン、いいな」

ロベリアが恨めしそうな顔をしながら、ジャスミンを見ている。

「姉さん、これは違うの、私、この男にレイプされそうになってるのよ」

「おいおい、世の皆さんが誤解するような事を言うなよ」

「だったら、離しなさいよ」

「たまにはスキンシップも必要だろ」

「何がたまにはよ、ふざけてるの?」

「ノンノン、俺がふざけてると思うか?」

語尾にキリっという文字がつきそうなくらい、決めた顔でジャスミンを見る。

「ダサ」

「落ち込むなあ」

「いいから、離しなさいよ」

「ヤダ」

「はあ?あなたは、姉さんのほうが好みなんでしょ」

「どっちかを選べといわれても困るね」

「姉さんを悲しませるような事、言ったわね?」

「ジャスミン」

本気で切れそうになったところで、ロベリアの声が入る。

「あのね、今は王子様の腕の中にいて」

「姉さんまで」

「いいから」

ジャスミンに微笑む。
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