妖魔06~晴嵐~
掌の中へと吸い込まれる波動。

そして、体中に魔力が溜め込まれた。

「死にたくなけりゃ、避けろよ」

もう一方の腕を上げる。

そして、放たれるのは波動。

「何?」

赤い学ランはサイドに回避する。

その間に、俺は学ランの傍に近寄った。

魔法陣の魔力も体内へと吸い込んだので動く事が出来る。

過去の俺の身体能力ならば、近づく事すら出来なかっただろう。

「邪魔、するんじゃねえよ」

学ランにボディーブローをぶち込んだ。

俺が半妖だという情報までで止まっていたようで、判断をミスしたらしい。

ブローが学ランの腹部へと決まり、顔面に膝をぶつける。

学ランは後方へ飛んでいき、地面へと倒れた。

何故、吸収が使えたのか。

三人で融合した時に、もしかと思っていた。

まだ、呪いは付きまとっているのか。

「お前は、何者だ?」

倒れている学ランが俺に聞いた。

「俺にもわからねえさ」

学ランは立ち上がる。

「願いのために、負けられない」

「そうかい」

構ってる暇はないのだが、邪魔をするのならやるしかない。
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