妖魔06~晴嵐~
「あああああああ!」

背後で悲鳴が上がる。

二人の魔法陣は解かれておらず、魔法陣の内部では電撃が走っている。

「お前は俺の大切な者を傷つけた。その代償を払ってもらう」

「自分の置かれている立場を考えたか?」

「考える必要はないぜ」

俺は、学ランは白い世界へと誘う。

「白の空間、か」

学ランは周囲を見渡す。

「知っているようだな」

「ここでお前を倒せば、同じ事だ」

「そうかい」

学ランの姿が消えた。

すでに、背後に回っている。

「終わりだ」

俺の背中には掌が付けられている。

「どうかな?」

俺の周囲には、黒い闇が現れる。

そして、学ランの腕を飲み込んだ。

「何?」

瞬間移動で逃げた学ランは、俺の前へと現れる。

学ランの腕は消失していた。

学ランは転移魔法陣を応用したみたいだ。

普通の魔術や高等魔術関係なく、詠唱を破棄する事が出来るらしい。

だからこそ、瞬時に転移魔法陣で俺の背後に回る事が出来た。

それは、吟の能力によって見えた。

その後、郁乃母さんの闇の能力によって、学ランの腕を飲み込んだ。

命をもらった時に能力まで付いてきたようで、魔力を吸い取った時に覚醒してしまったようだ。
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