君の生きる理由になる
「失礼しました。」
院長先生に別れを告げ、ロビーに向かった。
「あっ、」
ロビーに着くと、ある男の子と目が合った。
「岩野ユリだあああ。」
「えっと…」
「ハン・ヒョンジン。」
「ヒョンジン、」
「お前も、どっか悪いの?」
「えっ?」
「だーかーらー、どこか悪いの?」
「ごめん、私まだ分からないの。」
そう言った私に彼はきょとんとした顔をしたけれど、すぐにニコりと笑って、ジェスチャーしながら、カタコトの日本語で話しはじめた。
「ニホンゴノ、ジュギョウガ、アルカラ。」
「ごめんね。」
「"ゴメン"ハ、"ミアネ"。"ミアネヨ"デ、"ゴメンナサイ"。」
「ミ、ミアネ?」
また彼が笑った。
「カラダ、ワルイノ?」
「いや、手続き。」
「ソウナンダ、イエ、ドコ?」