君の生きる理由になる

「では、今日はこれで終わりです。気をつけて帰るように!!」

新学期の話をして、学校はすぐに終わった。

「先生さよなら。」

2年にもなると、大体仲良しチームが決まっていて、帰る支度をしながら話している。


「ねぇ岩野ユリって、どの娘?」

帰ろうとしたとき肩で息をしながら男の子が私を呼んだ。綺麗な顔をした、その人。女の子たちが予想通り黄色い声を上げていた。

「わたし…ですけど…」

「あぁ、良かった帰ってなかった。君が岩野ユリさん?」

「は、い…」

「俺、崎口奏嗣(そいじ)。今から病院行くんだろ?」

「うん、」

「俺そこの院長の息子。父さんからユリちゃんを迎えに行くように言われてたんだ。」

「そうなの…」

「だから行こ!!」


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