君の生きる理由になる

外に出ると体が震えた。こっちへ来て、3日経ったけれども、この寒さには驚く。

「どうした?大丈夫?」

「いや大丈夫。」

奏嗣くんはいつから韓国へ来ているんだろう。

「ねぇ、奏嗣くんはいつからこっちに来てるの?」

「生まれてすぐだよ。俺ん家さ両親二人とも日本人なんだけど、こっちで病院を開きたいって言って来たんだって。」

「日本語上手だね。」

「家では日本語を話すからね。ユリちゃんは韓国語話せるの?」

「私の家、父が日本人で母が韓国人なの。いずれはこっちに来るみたいだったから小さい頃から、二つの言語を聞いて育ったんだ。」

「正直さ学校には日本人いないじゃん。だからユリちゃん来て少し嬉しいんだ。俺、日本にいた頃の記憶ないから、今度教えてよ。」

「私も少し安心したよ。逆に私韓国のこと知らないから教えてね。」

「アラッソ(分かった)!!」

今日初めて会った人だけど、心は開いていた。優しい彼が隣にいることが何よりの安心だった。


< 4 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop