君の生きる理由になる
病院まではバスで行く。バスの中も少し寒い。奏嗣くんの手、手袋もしてなくて寒そう。
彼の顔を見てるとパチッと目があった。
「なに?」
「いや、別に。」
「ふーん、」
「寒そうだなぁって思って…?」
「なんで疑問形なんだよ。」
自然に笑みがこぼれる。なんだか、胸の辺りがポカポカしてきた。
「あっそうだ。」
そう言って彼は携帯を取り出した。
「番号。教えて!!」
「あっうん。でも私今度携帯買いに行くんだ。」
「そっか…じゃあ番号教えとくよ。」