君の生きる理由になる
「適当に掛けて良いよ。」
目の前にあるベージュのダブルソファーに腰を下ろした。
「で、いきなりだけどカルテを見させて貰ったよ。」
「あっはい。」
やっぱり、書類とかの話だけじゃ終わらないか。
「今は体調が安定していても、こればかりは、いつ発作が起きてもおかしくないし。仮に起きたとしても薬で一時的に抑えるだけだから、無理なことは絶対に避けて。」
「分かってます。私これでも10年くらい、この病気と一緒に生きてますから。」
「そうだね。この病気に関しては君の方が上手かもしれないね。」
「体育は出ません。学校にも言ってあるので。」
「単位とかは大丈夫なの?」
「体優先らしいです。」
できることなら、校庭を思いっ切り走り回りたいのに、できない体は欠陥品。