【短編】瞳
瞳
-HIME-
「えぇ? 海!?」
《そ、だから空けといてね》
「波ちゃん……焼けるよ」
《日焼け止めあるでしょ?》
「みっ、水着ないよ」
《今から、買いに行けば問題ないでしょ?》
「えぇ!? 今から?」
30分前に、親友の波ちゃんからの電話。
何を言われても泣きそうな返事をする私に、姉の様な口調で答える。
慌てて用意する私は、桜田 妃芽(サクラダ ヒメ)
あぁ。間に合うかな?
必死に走って約束の時間に、20分も遅れて到着。
「ごっ、ごめんねっ?」
「いーよ♪」
私は、トロイし……優柔不断だし……波ちゃん位、強引で寛大な人じゃなきゃ付き合えないんだろなー。
なんて思いながら横で笑う、優しい笑顔を見つめた。
波ちゃんが大好き!な私。