【短編】瞳
波ちゃんはスラーっと背が高くて
長いストレートの真っ黒な髪が印象的な美人。
私の自慢の友達で、私は波ちゃんを見ると溜息を漏らしてしまう。
あまりの綺麗さに。
「波ちゃん、急に海って……?」
「あー、海でバーベキューもするからね♪」
思い出したかの様に話し出したけど。
そうじゃなくて。
私が、アウトドア派じゃないの1番知ってるはずなのに……。
「ま、高2の夏は、1回だよー? ね?!」
う……波ちゃん可愛い。
私が、波ちゃんの意見に逆らう訳もなく。
水着を買って、明後日の海を少し楽しみになった。
だって、波ちゃんの選んでくれた水着は可愛くて♪
楽しくなるだったはずなのに……。
何で?
私の怖いもの――……。
矢野 学(ヤノ ガク)君。
同じクラスの男の子。