【短編】瞳
そして――……私を嫌いな男の子。
が、目の前に居た。
あ……また睨まれた。
この瞳が怖い。
この瞳を見ると泣きそうになる。
波ちゃんとか、他の女の子とか全然、態度が違うのに私にだけ冷たい。
――何で、お前が居るんだ
そんな瞳……。
矢野君を見るだけで心臓が痛くなる。
「あー! 妃芽ちゃんも来たんだ!」
「ぅ……うん」
「妃芽ちゃんが海なんて凄いね! 海好きなの~?」
ポワーンて喋ってくれる准君は、波ちゃんの幼なじみ。
「准っ!」
「なぁに? 学?」
「……着替え行くぞ」
「そかっ。後でね、妃芽ちゃん♪」