【短編】瞳
「……クソッ。
だから……俺、好……きなんだって。
お前の事……」
言えた。
噛んでダサイけど……やっと言えた。
これが俺の気持ち。
ずっと言いたくて言えなかった気持ち。
何だよ……何驚いた顔してんだよ?
普通キスとかしてんだから気付くだろ?
「ほ……本当に?!」
「あぁ」
あー!
今、絶対顔赤いって!
良かった……後から抱きしめてて。
「うぉっ?」
いきなり振り返った桜田。
「ばっ……馬鹿!
急にコッチ見んな」
顔を見られたくなくて、口元を片手で押さえて、少し下向いて桜田を見たら……
瞳が合った。