【短編】瞳
良かった。
瞳……逸らされない。
そんな事が。
たったそれだけの事が、嬉しい。
あ、笑ってる。
見たかった笑顔を俺に向けてくれんの?
これからも……向けてくれんの?
真っ赤になった桜田が瞳を逸らさず、
「矢野君……私も……好き」
って言ってくれたんだ。
すげー嬉しくて。
すげー可愛くて。
でもさ?
少し赤い顔でフッと笑い、
『さっき聞いた』
って。
照れ隠しする位…いいよな?
抱きしめて……いい?
キスして……いい?
んな事、聞く前に体が先に動いたけど。
でも……優しく抱きしめて優しくキスをした。
-END-
⇒後書