学校の王子様!!②
「だが咲羅はまだやらん」
「まだって事はいつかはくれるという事ですよね?」
「あぁ」
「え!?いいんですか!?」
「婚約くらいは許す」
結構ぶっ飛んでる…
「だが条件が3つある」
「条件……?」
「1つ、咲羅を幸せにすること」
人差し指を立てながら言った
「2つ、咲羅を泣かせないこと」
「3つ、咲羅に我慢させないこと」
3つ目は凄く真剣な顔で、低い声で、俺に言った
我慢っていうのは、我が儘を聞くことじゃなくて、泣きたい時に泣いて、笑いたい時に笑って怒りたい時に怒る
感情を押し殺さないで、溜めないで、ちゃんと咲羅の言いたいこと、伝えたいことをきいてあげる
そういう事だと思う
「分かってます」
矛盾していようが、無駄だろうが、無茶だろうが、咲羅の為だったら出来る、やれる
失うことは怖いから
「だが結婚はまだ認めない」
「俺まだ17です…」
「そうか」
「というか、どうしてそんなに心を開いてくれるんですか?」
会ったばっかりで
大事な娘の彼氏なのに
「あの咲羅が好きになるくらいだ、信用しないわけがないだろう」
「あ、ありがとうございます」
この家は、咲羅中心で回っているんだろうな…
《咲羅がすることは正しい》
そんな感じなんだ
まぁ、あながち間違っちゃいないと思うけど
「雅翔くん、咲羅をよろしくな」
「……はい!」