学校の王子様!!②








「…可愛すぎるだろ…」


俺は湯舟に浸かりながら呟いた


お風呂の使い方の説明をしていた咲羅が


『一緒に入れたら髪も洗ってあげられるのにね』


と満面の笑みで言ってきた


深い意味で言ったわけじゃないんだろうけど…

可愛すぎるし

無防備過ぎる


「本当に俺、咲羅のこと好きだな…」


つか大好きだな

まあ咲羅も俺のこと大好きだろうけど


「バスタオル置いとくぞ」


「あ、はい」


ドア越しに蘭さんの声が聞こえた


なんだかんだで蘭さん優しいよな…

俺のこと敵視してるけど


青葉さんも俺のこと嫌ってるのに

喋りかけてくれるし


「雅翔くん?着替え持ってきたけど」


「あ、ありがとうございます」


「多分サイズは大丈夫だと思うんだけど…」


「貸していただけるだけ有り難いです」


「まあ、お父さんがいきなり言い出したからね」


「でも、楽しいです」


誰かの家に泊まりなんて初めてだから

付き合ってた女がいないわけじゃない

つまんなくてすぐ振ったし

好きじゃない女の家に泊まりたいわけがない

それに会社のこともあるし

泊まるといったらホテルくらい


「そっか、それなら楽しんでね」


「ありがとうございます」


「それじゃあ着替え、置いておくね」


「はい」


椿さんも

たまに怖いけど

もし姉貴じゃなくて

兄貴がいたらきっと

椿さんや蘭さんや青葉さんみたいなのかな

とか思ったり

咲羅の家族は皆温かくて優しい

いい人ばかりだ

















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