学校の王子様!!②
「お父さん…」
「元気なのは大いにかまわない、だけど…騒ぎすぎはよくない」
「「「「「「はい…」」」」」」
「つまりは、黙れ」
ドスの利いた声が静かな部屋に響く
「……」
お父さん、怖いです
笑顔で黒いオーラを出さないで下さい
蘭以外はみんな顔を青くしている
「客人にこんな事言うのは胸が痛いんだけどね、やっぱりご近所さんに迷惑だから。わかるよね?椿」
「はい…」
椿が冷や汗をかきながら項垂れる
「詩乃ちゃん」
「へ!?は、はい!!」
誰よりも顔を真っ青にして震えている
怯えているのか蘭の服の袖をつかんでいる
「怯えなくていいよ、君には怒ってないから」
「え…」
「みんなを鎮めようとしてくれてありがとう」
「い、いえ!!私なんて…全然…役に立ってませんし…」
「そんなことないさ。詩乃ちゃんは自分にもう少し自信持ちなさい」
「はい…」
少し嬉しそうに微笑む詩乃さん
「…さて、もうみんな反省したと思っていいのかな?」
無言で大きく頷く6人
もちろん俺と雅翔、椿と晴香さん、青葉と真由さんだ
「じゃあ私はお風呂にでも行ってこよう」
席を立って浴場に向かう
お父さんが見えなくなるまで俺達は誰ひとり口を開かなかった