学校の王子様!!②
―ら……咲羅!おい!
――ちょっと待って、今、体温計…
―…触れば解るっつの!熱すげえぞ!
…兄貴…たち?
「あ、起きたか!?咲羅」
「俺、氷枕もってくる」
「すっげー汗かいてんぞ」
「兄貴…?俺は大丈夫だから」
喉渇いたから水くれない、そういうと兄貴たちは慌てて
「どうした!?大丈夫か!?」
は?だから大丈夫だって
何回言えばわかんの?
「咲羅…お前声出ないのか?」
は…?
声出ない?って
……嘘だろ
「ちょっと待て、紙とペンもってくる」
部屋には俺と蘭
バタバタと走り回る音が耳に入る
今は何時だ?俺どのくらい寝てたんだ?
「…咲羅気分はどうだ?大丈夫か?」
声が出ないから頷く
そうするとホッとしたよいに蘭が微笑む
…心配かけちゃったのか
「紙とペン持ってきたぞ」
「氷枕と水、あとタオル持ってきたよ」
青葉、椿の順に部屋に入って来る
青葉から紙とペンをもらい一言かく
『ありがとう』
兄貴達は顔を見合わせ
「どういたしまして」
青葉と蘭には頭を撫でるというより掻き回され
椿には手を握られた
………あ
「どうした!?」
「わ、悪い!強くやりすぎた?」
「みみみ、水飲む!?」
…別に悲しいわけじゃないんだけどな
この涙は
『水飲みたい』
少し笑ってみせる
「はい、どうぞ」
『ありがとう』
さっき書いたのをもう一度みせる
「夕食は俺が作るから、咲羅は寝てな。氷枕ここ置いとくからね。あと汗かいてるからタオル」
「じゃあ俺、ポットに水入れてくるわ。お代わりできるように」
「じゃあ俺夕食作り手伝う」
…俺、熱出すと涙もろくなるのかも
兄貴達の優しさが
嬉しくて泣きそうだ