みずたま
それから1週間がたった。


今日は3贈会。

私はステージの袖でカンペ係。

ホントは衣装だけど・・・衣裳って本番やることないから。


そして3贈会は終わった。


あと片付けしているときに成也くんに呼ばれてミーティングルームに行った。

「あのな・・・梨理にはちゃんと話しておかないといけないと思って・・・俺の進路のコト。」


「え…」

私が今1番聞きたくない話。高校進学。

だって・・・離れ離れになっちゃうもん。

うちが同じ学校に行けばいいだけの話だけど・・・
まわりから聞いた成也さんの行きたい学校には・・・うちの学びたいことはない。
そしたら・・・あと1カ月・・・でさよなら・・・振られちゃうんだよ。そんなの考えたくない。


「俺は商業高校に行きたいと思ってる。情報科。」


さよならするのは辛いけど・・・これは成也くんが決めた道なんだから。彼女の私はそれを応援するのが1番だと思う。

ここでさみしいとか言って泣いたら・・・成也くん優しいから受験とか集中できなくなるかも・・・。


だからここは・・・明るく笑顔で応援してあげなきゃ。


「そうなんだ。頑張ってね。」

そう言って笑うことしかできない。
それが今の私の精一杯。
成也くんの目もしっかり見れてない。
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