君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
「明ちゃん、海好きそう」
「ビンゴ、です」
…あぁ、だから合ってたのかな?
「それに、、、」
江口さんが何かをいいかける。
「こじ開けてみたい」
「はい?」
「…俺達の音を理解する君の、心を、、、」
何も言えなくなってしまったじゃないか。
…ただ、1つ言えるのは、
「信号、青ですよ」
今あたしは、どこに向かっているのかさえわからない。
暗い道のりを、ただ迷いなく進む江口さんの横顔を見ると、それだけで顔がほころんでくる。
…ま、誰にも言わないけど。